初めての掛け合いトーク _ My Life
中村学園大学で開催された食卓の向こう側 in 食育フェスティバルへ。
お弁当の日 in 宗像でお世話になった西日本新聞佐藤弘さん（通称ひろしさん）より「参加者を集めに苦戦しているので応援を」との依頼があり、学童保育の保護者仲間に声をかけつつ、自らも出向いた。
ゴーシ舎長の「失敗する要素がない」の宣言どおり、“弁当の日”を中心とした企画の中身は、いつもどおり充実したものだった。
その一方で、今日は、私にとってとても新鮮で充実した日でもあった。なぜなら、ゴーシ舎長と大勢の参加者の前で掛け合いトークを体験したからだ。
これまで、何度となく、彼がいろいろな人と掛け合いをする場面を見てきた。しかし、私自身がそのような場で掛け合いをすることはおそらく初めてだった。それは失敗に始まり、満足で終わった。
最初のトークは午前中に訪れた。自作のお弁当を携えた親子連れ、大学生や高校生など約９０名が食堂に集まった食育の実践企画、“お弁当の日”でのアイスブレイク、田んぼ力検定の問題を活用したチーム対抗クイズ合戦でのこと。
このクイズ合戦は、“お弁当の日 in 宗像”で経験済で、勝手が分かっている。そこで、ホワイトボードに各チームの正解を記入して行く仕事を自分の役割と自主的に決めた。話を適当に聞きながら、「正解グループに手を挙げるよう促したりした方が良いだろうな。」などと自分の役割をイメージしていた、まさにその時である。
「じゃあ、正解は比良松先生から！」
とゴーシ舎長から不意に振られる。問題（棚田を英語で言うと？）は聞いていたので正解（ライス・テラス）は分かっていたが、選択肢の番号まで覚えていなかった。一瞬頭が真っ白になり、番号でなく正解をそのまま言えば良いところを、当てずっぽうで（本当は２番なのに）「３番」などと言ってしまった。
３番と答えたグループから歓声が上がる。「しまった！」と思ったときは後の祭り。
ひろしさんから「九大の先生が間違うなんて！」と厳しい突っ込み。ゴーシ舎長から「急に私が振ったので」とのフォロー。せっかく振ってもらったのに大失敗であった。
二度目のトークはゴーシ舎長、ひろしさん、それに内田美智子先生によるシンポジウム「食が日本を変える〜広がるべ弁当の日」でのこと。内田先生の講演を終え、会場とのトークライブが展開されていた。
会場の参加者から“弁当の日”の良さは分かるが、家庭事情が様々なので実践することが難しいのではとの懸念があがった。
そこで、ゴーシ舎長がまず、内田先生へ振り、元祖“弁当の日”実践校の滝宮小のエピソードが紹介される。手の内を知り尽くした者どうしのこの掛け合いはいつもながら安心して見ていられるし、とても楽しい。
次は、ひろしさんから小学校で“弁当の日”を実践するＩ益先生へ振られる。ゴーシ舎長から「熱くなりすぎて長くなりすぎないように」と釘を刺されたが、やっぱり長くなり、ゴーシ舎長のイライラが見え始める。
それを会場後方でひろしさんと笑いながら見ていると………
「次行きますよ。」とひろしさん。
「え〜〜〜〜〜」と思ったが、午前中の失敗を挽回するチャンスでもあるとすぐに思い直す。
「あっ、こんなところに比良松先生がいるじゃないですか！」とひろしさんに振られてマイクを渡された直後に「………と遠慮しながら、もう出てきてます。」とゴーシ舎長の突っ込み。そこで私は、「勝手に、背中を押さないでください。」とひろしさんへさらに突っ込み。
時間を押していることを悟っていたので、ステージまで階段を下りながら、ゴーシ舎長と同じ職場で働いている教員仲間である事などを手短かにマイクで話す。
舞台前で、教員としてでなく保護者として娘が通う学童保育所で“弁当の日を始めた経緯や特徴を簡潔に伝え、さらに、"弁当の日"のハードルは、「初めはおにぎりだけ」など、子どもにとっても大人にとっても低いところからスタートする事ができることを話す。
そして、「おにぎりだけでも、顔のあるおにぎりとか、大人の私たちが想像もつかない発想で多種多様なおにぎりを作ってくるんです。」と弁当の日効果を私が伝えると、「丸おにぎりじゃなくて、型で固めて四角いおにぎりとかネ。」とゴーシ舎長。すかさず「ミッキーのおにぎりとかもネ。」と私。
たった数分の掛け合いトークだったが、そのテンポに私は気持ちよくのっていた。これが掛け合いなんだと実感できた瞬間だった。
こうした実感と経験が、次のもっとすばらしい実践と経験へ繋がる。
私にとってたいへん稔りある１日だった。
ひろしさん、ゴーシ舎長へ感謝。
おまけ：弁当の日の幸せな顔、かお、カオ………
