フード・キャンプ3 _ 号泣の女子大生と… My Life


泣かされた。


しかし、今回は内田先生ではない。


食育WS最後のプログラム。学生実行委員代表であり、九大弁当の日を作り上げてきた二人の女子大生による“答辞”。


およそ1年、43回に亘った九大弁当の日。そこに関わった同級生、先輩、後輩、そして教員一人一人の写真と思い出の弁当を映し出しながら、彼女たちはこれまでの思い出や感謝の気持ちを伝えていった。


ミス“歩く弁当の日”のような記憶力を持たない私の頭でも、彼女たちのメッセージを聴いているうちに、いっしょに食べた弁当の味、交わした会話、笑顔と笑い声、あの幸せな時間が、はっきりと浮かんでいた。


私たちは、昨日食べた夕食さえ思い出せないことがしばしばある。でもその瞬間、私は、みんなのために一生懸命作り、一緒に感謝し、楽しく食べた弁当の思い出は、簡単には失われないことを悟った。


こんなに幸せなことが他にあるだろうか。


私を弁当の日へといざなってくれたふたりに改めて感謝した。そしたら涙が溢れ出してきた。


答辞を終え、涙でぐしゃぐしゃになっているふたりのもとへ私は思わず駆け寄っていた。


「ありがとう」


大学に勤務して14年。卒業生の言葉に涙した初めての日となった。