卒業式 _ 贈る言葉と贈る弁当 Campus Life
本日、我が大学の卒業式。
「寿司が食べたい」という研究室の卒業生たち。
きっと美味しい握り寿司を期待しているんだろうなあと思った。
でも、「じゃあ、寿司を頼んで……」なんて気持ちにならないのが今の私。
(期待していたひとゴメン。)
ちらし寿司をふるまうことにした。
コンセプトは、できるだけ豪華に、可愛らしく。
多少のハプニングはあったが、弁当の日で鍛えた“段取り力”はそんなことには動じない。
準備時間1時間半。作業時間1時間。
こんなちらし寿司を研究室の職員と大学院生の力を借りて作った。
それでも満足しない私はもう一つの弁当(?)をある人たちへ贈った。
農学分野に所属し、社会へと旅立つ弁当の日仲間の3人へ、大学生活最後のプレゼント。
たくさんの思い出をありがとう。
「最近の学生は……」
そんな言葉をよく耳にする。
かつて、私もそんな言葉を口にしたことがあった。
確かに、キャンパスでの学生たちの振る舞いを見たり、学生たちの研究や論文の指導に携わったりしていると、彼らのいろんな力不足を感じる。そんな力不足を「最近の学生は……」という一言で表現する。でもよく考えてみると、それは、しばしば、研究を中心とした特殊世界の目線だったり、指導者としての上からの目線だったりする。社会へ巣立つ卒業生の大部分は研究者にはならないのに……。たまには、彼らも同じ目線で付き合いたいと思っているかもしれないのに……。
私は“弁当の日”を通じて、学生たちや子どもたちの、自分にはない、いろんな可能性を見せてもらった。そんな可能性をいつの間にか見落としていた自分に気付いた。彼らと同じ目線にいない自分に気付いた。
今、思う。
私たち大人は、若者や子どもたちが憧れる大人でいるだろうか。
“かっこいい”大人へと日々進化しているだろうか。
彼らと共進化し続ける関係でいるだろうか。
「最近の学生たちは……」と漏らすのは、私たち大人の言い訳でないだろうか。
各地に散らばっていく卒業生たち。
みんなと共進化したい。
そして、九州中、日本中、いや、世界中を巻き込んでいろんな風を吹かせよう。
できるだけ近い将来に。
社会人への門出には“ここ”を
- 作者: 内田美智子,佐藤剛史
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