HTBにて(その2)


HTB“ボタニカルガーデンフェア”で食育講演。


ガーデニング愛好者が多いことを意識して、タイトルは「人はなぜ栽培するのか?」。依頼者からは「食育ならなんでもよい」ということなので、「人は生きるためだけでなく、誰かに喜んでもらうため、そして自分を認めてもらうために食べ物や料理をつくる。それが栽培・農・食の原点。」という切り口で展開。キーワードは「得るものと失うもの」。


最初は、日本人の農と食の矛盾から現代日本人の食の変容と、いつものネタ。


ひろしさんの砂糖マジックのお話では、「イオン飲料をよく飲まれる方いますか?」との投げかけに、女性司会者が手を挙げる。
私「なぜ、イオン飲料を飲まれますか?」
司会者「体に良いかな、と思って。」
私「なるほど。イオン飲料だから体内への吸収が普通の水よりスムーズですよネ。それでは、この中にどれくらいの砂糖が入っているかご存知ですか?」
「いいえ……。」と不安げな表情の司会者。
「驚かないでくださいネ。」とここからはいつものとおり。


そして新たな挑戦。

  • 植物の栽培化における利益と損失

「ネットメロンはなぜ甘いのでしょう?」「なぜ温室で栽培されるのでしょう?」と問いかけ、野生植物の栽培化で起こる多様性の喪失を説明。つまり、「都合の良いものを選びとる過程で、大切なものを失ってしまう」ということ。その点では、現代の食事の変容と共通点がある。同じ視点で、ご当地で活躍される吉田俊道さんの「土と作物のバランス」も紹介。

  • 一家団欒の起源 〜 食卓の原点

さらに直立二足歩行の進化と共食の起源(山極仮説http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20080908)を紹介し、「便利で豊かな生活を追い求めながら、私たちの食は、サルの時代に戻っているのかもしれません。それでいいのでしょうか。」と問いかける。


最後は、お約束の“弁当”売り。「落ち込んだ皆さんのために希望の光を紹介します。」と、滝宮小・国分寺中弁当の日からご当地波佐見南小みそ汁の日&卒業謝恩会と展開し、最後は大学生弁当の日で締め。


「よか話しでした。ありがとうネ〜。」と去り際に私に近寄って挨拶してくださった参加者の方々。
「“身近な幸せ”を朗読しながら、自分がウルッときてしまいました。これからはイオン飲料を控え、自分の体をいたわります。」と女性司会者。
「『今回のセミナーの中で一番良かった』『自分の生活を考えさせられた』と、参加した社員が言っていました。これからの経営に活かせそうです。私も我が身をいろいろと振り返りました。」と本企画担当主任。


こちらこそ貴重な経験をさせて頂きました。
とても有意義な時間でした。
ありがとうございました。