学童保育・新春弁当物語1
「担任の先生が頑張らない弁当の日はダメです。」
竹下和男先生の言葉。
学童保育弁当の日では、子どもたちにとって私が担任のようなもの。今まで取材を怠った日は一度もない。子どもたちは私が弁当の写真を撮るのを待っている。だって、「このオジさんは私や私が作った弁当をいろんな人たちに見せてくれる」って、子どもたちは期待しているのだ。だから子どもたちは写真を撮ってもらうまでは絶対に弁当に箸をつけない。だから私は一人一人ちゃんと撮ってあげる。
写真を撮るだけではない。子ども一人一人に話しかける。「何を頑張った?」「何が難しかった?」「次、何に挑戦したい?」など、児童たちの胸の内に刻まれた弁当物語を聞いてあげる。そこには素敵な出来事がいっぱいだ。
1月9日の弁当の日にも素敵な物語があった。
まずは低学年。
お母さんが作ったおかずを詰める作業を頑張った子。
彼女にとってはとても意味のある大きな一歩に違いない。
低学年の弁当にこの目玉焼きがなぜか多い。
大人は目玉焼きなんて弁当に詰めない。
果たしてこの目玉焼きに行き着くまで割られた卵はいくつだったのだろうか。
失敗だろうが成功だろうが、体験は成長への階段だ。
1年女子が朝6時に起きて作ったサンドイッチ。
作ったのはこの子。
見よこの満足そうな顔。
お母さんもちゃんと見守っておられたようだ。
そんな得意気な顔に刺激された子は……
「つぎはさんどいち」と宣言するのである。
これが子どもどうしの切磋琢磨。
初めてタコさんウインナーに挑戦した1年男子。
たしかに包丁の切り込みが入っている。
「とても難しかった」らしい。
母の偉大さ、感じたかな?
つぎの「くまういんな〜」っていったいどんなウインナーなんだろう。
初めてお米をといだ3年男子。
「水がとても冷たかった」そうだ。
それで、持ってきたのがこの「びっくり顔」弁当。
確かにビックリしているぞ!
なんと、オムライスに挑戦したハイレベルな2年生女子も。
「薄焼き卵をつくるのが楽しかった」と余裕のコメント。
将来がたのしみだ。
これはサッカーボール。
「手にいっぱいごはんがついてたいへんだっだ」そうだ。
これには顔がある。
今にも喋りそうなくらいおにぎりに表情がある。