濃密な一週間・その1


21日の小学校での講演の反省に始まり、
その後、4日連続で2回の講義と2回の講演。
刺激的な一週間だった。


月曜。
少人数ゼミ。


まず、「日頃やりたいと思って、できていないこと」をリストアップ。


そして講義へ。
テーマは子供。
環境、食と農業、命の現場で
たくさんの人に影響を与えるメッセージを残した三人の子供を紹介。

  • セヴァン・スズキさんの「あなたが世界を変える日」(朗読)
  • 波佐見町南小学校の生徒の作文「身近な幸せ」(朗読)
  • 猿渡瞳ちゃんの「命を見つめて」(スライドショー)


受講生は、その場で、
それぞれのメッセージに対してたくさんの感想を寄せてくれた。
その一部。

子供であっても世界を動かせるのだなと感じました。多くの会議が世界各地で行われているけど、そこは大人の空間で子供が入れるような場所ではないと思っていたけど、一人類として、地球に住む一人として子どもも同じように発言しても構わないのだと思いました。自分は大学生の身分では大きなことはできないと思っていたが、何かできるかもしれない。何かを発言することで何かが動くかもしれないと思えた。これから様々なシンポジウムがあると思うが、積極的に参加して発言したいと思いました。

このスピーチにあるとおり、大人は子どもを愛していると言うけれども、子どもの将来を考えて環境問題に全力で取り組もうとはしていないと思いました。子どもは大人にない素直で無垢な心がたくさんあると思います。年をとるにつれ、その心が荒んでいくのは仕方ないけど、悲しいことです。だけど、この心、この気持ちだけは忘れてはいけない。大きな行動は大人の方ができ易いのだから、自分ももっと大きくなったら行動を子どもに示せる人になりたいです。

料理を親と共に作る機会はそんなにありませんでした(今では少しずつ増えていると思います)。しかし、我が家の食卓もとても明るいという自信があります。我が家では食事の間、終始会話があります。そして何でも素直に話せます。つまり、コミュニケーションを取れば、円満な食卓になり幸せを感じられると思います。その中で一緒に食事を作るというのはとても良いことだと思います。もっと自分でも料理を作って親にプレゼントしたいと思います。

6年生当時の自分は、朝、いかにして遅刻しないように集団登校の集合場所に行くかということばかりに必死で、朝ご飯を作るのをてつだったりしたことは一度もなかった。晩ご飯なら手伝ったことはあるが、“自ら進んで”といのはあまり無く,親に言われてやっているような感じだった。この作文を読んで、6年生たちの素直さに感動した。今、一人暮らしをして、毎日食事を作るのは大変だと思い、母親のすごさを身に滲みて実感しているが、それを素直に言葉にしたり、お礼を言ったりすることができるか、今は自信がない。この6年生たちのような素直さを持って、夏に実家に帰りたいと思う。

病気になり、普通、多くの人は自分は不幸であると感じると思う。でも瞳ちゃんは本当に前向きで、強く、優しく、生きることへの喜び、命の尊さをわかっていた。言葉には表せないけど、瞳ちゃんの、心に染み込んで行く言葉を聞き、改めて、行きているってすごいことなんだ、と思った。そして自分の命はもちろん、他人の命、すべての命を大切にできるような人間にならなないといけないと強く感じた。本当に感動した。

絶対に一番苦しいのは本人なのに、周りの人を気遣って、治すという医師を持っていて……。すごく強いなあと思った。自分が病気になったらどうだろう。そうするのはダメとわかっていても、嘆いていそう。生きている。それだけですごいことなんだと思う。そして、その分進んでいかなきゃいけないと思った。


講義の最後には、「日頃できていないことを次週までにやり遂げるように」と宿題を出した。


火曜。
八幡区の八児中で中学1〜3年生220名と先生、保護者、地域の方を対象に講演会。


初めての中学生を対象とした講演。
いつもよりも入念に準備をした。


この中学校では、2学期より自校式給食がスタートする。
「弁当よりも給食のよさを」
と窓口になった先生からお願いされるが、
「給食でも弁当でも伝えることは変わりません。「自分の心をどう育てるか」。子供たちへはそういう話をします。」
と返答。


マダム美智子のスライドショー「うまれるということ(ここ・児童編)」でスタートし、
「強い心を育てる“優しさ”」をテーマに話しを展開。

  • 大学生の食生活
  • 弁当を作る小中学生の心の成長〜チャーハン物語
  • 黒崎中学校弁当の日感想文「心を豊かにする弁当の日」の生徒による朗読
  • 「いのちをいただく」の朗読


誰かの心を読めた時、その人の心に優しさが育まれる。
その時、心が強くなる。
身体の成長に負けないように心も成長させること。


残り僅かな、弁当の日々。
もったいないと思う。
一度でも自分で作ることに挑戦して欲しい。
そうすればあたりまえの向こうにあるものに気づくはず。
心の優しさが育まれるはず。


そんなメッセージを伝えた。
生徒たちの反応はとても良かった。
手応えを感じた。


最後に生徒会長が私の目前で謝辞を述べてくれた。
これがすごかった。
私の話しの内容やその感想をたくさん手帳に書き留めており、
それをわかり易くまとめ、丁寧に述べてくれた。
事前に用意された作文なんかではない。
「『生の反対は生まれないこと』というメッセージを見て、
今、自分が生きていることがどんなに素晴らしいことかを実感しました。」
などと言うのだ。
彼の理解力、コメント力に感涙。
泣かすつもりが逆に泣かされた。


全校生徒の感想文が大変楽しみだ。
(明日へ続く)