ミカンとレモン


ミカンとレモン。
橙色と黄色。
果皮の色が異なる。


色の素となる色素はカロテノイド。
その種類は多数。
植物の細胞内では、
上流から下流へと向かって多段階の酵素反応を経て色素の種類が変化していく。


黄色の果皮の場合は、黄色を呈するカロテノイド色素まで反応が進み、そこで止まる。
橙色の果皮の場合は、橙色を呈するカロテノイド色素まで反応が進み、そこで止まる。


もし、果皮形成の過程にある細胞の中で、
カロテノイド色素反応に関わる酵素の遺伝子に突然変異が起こり、
果実が成長すると……


こんな果実になる。


突然変異した部分の内側の種子や胚珠から植物を再生させれば、
突然変異した色の果皮を持つ果実の選抜が可能となる。


そんなふうにして多彩な果皮色のカンキツ類が育成されてきたのである。