漫画授業 〜 小ゼミ“いのちの授業”

漫画を授業で読む。
「玄米せんせいの弁当箱」を90分間、真剣に読む。

玄米せんせいの弁当箱 6 命の入り口 (ビッグコミックス)

玄米せんせいの弁当箱 6 命の入り口 (ビッグコミックス)


小ゼミでそんな授業をおこなった。
もちろん真面目な授業。


“弁当の日”体験。
元気野菜づくり体験。
一週間の食事調査。
五味のテイスティング(幾田先生の食育塾)。


これまでの実体験を漫画で振り返ることによって気づきや学びを深め、半歩先の行動を考える、波状攻撃型学習。

  • 最も印象に残ったことは?
  • 自分の身に置き換えてみると?
  • 私に何ができる?

母乳の話。お母さんの身体が健康であることが赤ちゃんにとってかなり重要であることを改めて知った。母乳の味まで反映するんだと驚いた。私も将来子供を持つかもしれないので、その時までに”普通の”食事が作れるように今から練習しておきたいです。私は全然和食とか魚料理など作れないし、食生活に偏りがあることも多いので、今のうちにそこを直したいと思いました。自分の身体だけならまだしも、赤ちゃんの身体にまで悪影響を及ぼすようなことは絶対にしたくないと思います。赤ちゃんの頃は、一生のことを決める本当に重要な時期だと思うので、責任を持っていかなくちゃいけないと感じました。(法学部女子学生)


まず、「噛むこと」について自分の身に置き換えてみると、僕はあまり食べ物を噛みません。そのため、自分の歯が心配です。高校3年生のとき、塾通いだったため、外食をしていました。それまでは家でご飯を食べていました。外食を始めるまでは虫歯もなく、健康な歯でした。しかし、外食の時は急いでいたこともあり、食事を飲んでいたため、虫歯ができました。今でもその名残があるため、これから気をつけたいです。もうひとつは、「家族で囲む食事」のことです。僕は、今、一人暮らしをしていますが、これから実家に帰ったら家族で囲む食事を大切にしたいです。良く噛んで食べる、食物繊維を多くとる、料理経験を積む、土とふれあう、家族で囲む食事を大切にする。(経済学部男子学生)


料理は食べ易くすることが必ずしも良いこととは限らないということに一番驚いた。他の人につくるときには、なおさら気をつけなければならないと思った。本当に相手のことを思って料理するとは、単純なようで難しいことだと知った。将来、自分の家庭を持ったとき、もしかしたら自分のパートナーとなる人がこのことを知らないかもしれない。むしろ、現代人は知らない人の方が多いはずです。学んだことを忘れず、時には、人に伝えてこれからの人生に役立てたい。良く噛む、ということが最も基本的で効果的な健康法であることを知った。今日から実践できるので、実践していきたいと思う。(経済学部男子学生)


便は“身体の便り”という言葉が最も印象深かった。便秘が様々な症状に関係していると知り、自分の身体にもあてはまる部分があって驚いた。一人暮らしをしながら便秘気味になっており生活リズムの乱れだけでなく、食生活の乱れも起因していると感じた。パンを食べることが多く、食物繊維をとることをおろそかにしていると感じた。便秘を治すにために、野菜を夜だけでなく、朝からもとれるように生活を見直し、食生活も見直す。便をしっかり観察し、自分の体調の変化を確かめたい。(経済学部男子学生)


自分は食べ物を良く噛んで食べていた気がする。最近、無性に腹が空いている。そして夜食にご飯を食べる。夕飯が決して少ないわけではないが、腹が空くのは、噛む回数が少ないからではないかと思う。今日からは、噛むことを意識しながら食べようと思った。料理ができるようになることは生きる術を持つことであるので、自分も作れる料理のバリエーションを増やす努力をしていく必要があるなと思った。(経済学部男子学生)


私が最も興味深かった話は、母親の母乳の話です。母親の食事が子供にも影響を与えることは知っていましたが、味も関係しているということは知りませんでした。現代では、加工食品が溢れ、母親もそれに手が出ることが多いのかもしれません。そして、母親になってもまだこれまでどおりの偏った食生活を続ける人がたくさんいるのだと思います。日本古来の和食が一番母乳に良いのなら、私もそれが作れるようになりたいと思いました。古くからの料理がまだ残っているうちに、私たちの世代が身につけておかなくてはいけないと考えます。私も食の大切さを理解し、食べるものが身体に与える影響は意外にも大きいということを、心に留めておきたいです。食を軽く考えないで、自分の命を保つためにも「自炊力」や「思いやる心」を大事にしていきたいと思います。(経済学部女子学生)


個食、孤食に関する話。高校生までは家族で食べていたが、今では夜に一人で食べることが多い。昼、友達と食べている時の方がはるかに美味いし、楽しい。平日は父親が仕事でほとんど一緒に食べることができなかった。休日も、話題がなくて閉塞感を感じていた。今は、久しぶりに返ったときに、楽しく食べれている。どうすればいいかよくわからないけと、食事の話題を家族とするなど、これからいろいろ考えていきたい。(理学部男子学生)


母乳の話が、初めて聞いたことばかりでとても興味深かった。母親の乳から出るものなので、基本的に栄養十分であると思っていたが、必ずしもそうではなく、母親の食事にとても依存していて、母親がきちんとした食生活を送らなければ、赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまうということに驚いた。(理学部男子学生)


料理をつくれるようになることは、命を保つ力を手に入れるということに、はっとさせられた。僕は、自分1人で生きていける力がないので、今、やっているように、少しでもいいから母の手伝いをして料理をやっていきたい。(理学部男子学生)


まず、“弁当の日”が始まった由来が良くわかった。正直に言うと、私もはじめにフィールドワークで弁当のおかずを一品ずつ持ち寄るということを聞いたとき、漫画に出てきた大学生たちと同じように「え〜っ、ちょっとめんどくさいな〜」と思ってしまいましたが、実際に弁当の日を体験してみると、なんて良い企画なんだろう!!と一瞬にして心変わりしてしまいました。料理は大人になれば自動的に作れるようになるものだと私自身も思っていて、そうではないことを実感したので、共感できました。私たちの身体を作りあげるものが、食べ物なので、生きていく上でとても大事なことだなと思いました。漫画の中で,大学生のうちが料理をつくる腕を身に付ける最後のチャンスだと書いてあったので、そのチャンスを無駄にしないようにして、ひと通りのことくらいはできるようにして、周りの人にも欲感で食べることの大切さなど健康に生きる上で大事なことを伝えていける人になりたいです。(医学部女子学生)


「デカ弁の行方」で働くお父さんが娘の弁当を作っているところを娘が目撃するシーンが最も印象深かった。その場面の前に、玄米先生が「お弁当はその人に愛情を持っていないと作れない」と言ったシーンがあって、それにも「なるほど」と思いました。だけど、やっぱり言葉より自分の体験の方が強烈なんですね。娘が働きにいく前に一生懸命弁当をつくる父の姿を見るシーンを読むと、自分の父を思い出しました。母の体調が悪いとき、その変わりをしてくれる父の姿には、働いた後で疲れているのにというような、申し訳なさや、頼もしさ、なんとも言えない感情が交じります。普段何もしてくれない時も多いのに、そういう姿が焼き付いています。私もいつか、父や母にお弁当を作りたい。その姿をその二人よりも妹たちに見て欲しい気がします。忙しい、を理由にしてばかりでは愛情やありがたみは伝わらないのだなと思いました。(食生活が今じゃなく、何十年後かに影響するっていうのは怖いとも思いました。)(医学部女子学生)


おいしいおっぱい。食と生命がつながっているということがまっすぐに伝わる話だった。母親の食べるものによって、おっぱいの味が変わる。“自分だけの身体じゃない”とはまさにこのことだたと思った。また、食生活の改善が健康だけでなく、人間(夫婦)関係の円満の秘訣にもなるというのが、とても共感できた。将来、母親になった時、自分の子どもの健康のことを考えて絶対に何が何でもきちんとした食生活を送りたいと思った。“食”をおろそかにしてはいけない!と思った。“食”について、料理、栄養のこと、特に料理についてもっと学びたいと思った。(医学部女子学生)


食育と言うと、食べるものばかりが注目されるが、食べ方も食事であり、重要だと言うことがとても印象に残りました。この少人数セミナーを通して「食」について考えるようになったけど、野菜が不足しがちだとか、自炊をもっとしないといけないとか、作ること、食べるものばかりに捕われて、よく噛むという食べ方のことを忘れていました。小学生の頃は「よく噛んで食べなさい」と親から言われていたし、学校でも習っていて、噛む回数を数えたりしていました。しかし、最近は、まったく意識していなかったし、時間がないから急いで食べようとしていた気がします。まずは、今日、良く噛んで食べようと思います。「生きることは食べること、食べることは噛むこと」このことを意識すれば、自分の食べ方も改めて考えられる気がします。全ての食育に共通することですが、親から子に教えるということの重要性を感じました。だから今は、母から料理を学び、将来はちゃんと子供に教えようと思います。(医学部女子学生)


私の家族の生活リズムはバラバラで、家族全員揃って食べたことなんて、大学に入って以来、実家暮らしであるのにも関わらず、ないのだ。玄米先生が、「食事の場というものは、家族とのつながりを一番感じることができるところ」と言っていたが本当だと思う。母は「さびしいな〜」とよく嘆いている。中学の頃に学校全体に孤食についてアンケート調査をしたことがある(ラジオ番組制作のため)。孤食に対する理解度は高いのに何もしていないという現状があった。一昔前までは当たり前であったはずの家族の食事ができたらなと思いました。(医学部女子学生)


母乳は血液からできるということは知っていたけど、母親の食べるものによって味が変わるということは知らなかったので驚いた。ミルクで育てる人が多くなっていると聞いたことがあるけど、ただ母親が面倒くさがっているだけじゃなくて、美味しくないから赤ちゃんが飲まなくて仕方なくミルクという場面もあるのだと知った。また、ミルクを与えるときに赤ちゃんが母親の見ているシーンがあって、私もこの漫画を見ていなかったら、こんなふうに与えるようになったかもしれないと思った。赤ちゃんは自分が思っているよりもいろいろなことをよく見ているということを知れてよかった。和食を作れないので、ちょっと作ってみようかと思った。みんなで料理を作って、料理をつくる楽しさを広める大人になって、ちゃんと料理をつくれるように、今から練習する。よく噛む!!(農学部女子学生)


「土と触れ合い、微生物の存在を感じ、生きる糧を自ら育てる体験をする。それだけで、人はきっと生きる強さを取り戻せる」という玄米先生の言葉が印象深かった。漫画の中の“最近の大学生、若者”とは自分そのものであると思いました。時間がないと言い訳をして、ろくに食事も作れず、外食ばかりしている。とりあえず、料理と言えないかもしれないですが、台所に立ってみたくなりました。大したことはできないし、自分自身、うざったらしくなると思いますが、毎日、包丁と火だけは扱いたいです。(農学部男子学生)


噛むことの大切さを教える場面。健康的な食事と言われると、栄養バランス等に目を向けがちだが、どの食事でも噛まなければ身体に悪いということが一番印象に残っています。「口は命の入口、歯は命の柱、噛むことは命の貯金」という言葉は素晴らしいと思った。噛むことを意識してないような気がして少し反省している。これからの食事ではなるべく良く噛み、味わって食べることを実行していきたいと思う。意識するだけで変わると思うので、食事のたびに思い出したい。(農学部男子学生)



運動会の日、母親のいない娘のために父親が徹夜でお弁当をつくってあげた話が一番印象深かった。仕事、仕事の毎日で当然弁当なんて作ったこともない父親が作ったお弁当は、見栄えも悪くおいしくない。でも、確かにそのお弁当には、一杯の愛情がつまっていただろう。自分がお弁当を作れない(作ったことがない)ことを知りながらも、娘のためのと、一生懸命お弁当を作ろうとし、実際に作ってみせたその父親は立派な人だなと思った。もし自分がその父親の立場だったら……。やはり、下手ながらも作っただろう(運動会の日に私の母親がはりきって重箱に自分の好きなものを詰めてきたのは印象深い)。しかし、その前に自分が一丁前のお弁当を作れるようになるのもたいせつなことだなとしみじみと感じたお話だった。(農学部男子学生)



私が一番印象深かったのはおっぱいの話でした。私たちは、今、大学生で、学食やコンビニも身近にあって、自分で食べたいと思えばほとんど何でも食べられます。でも赤ちゃんは?お母さんが与えてくれたおっぱいや大人が入れてくれたミルクしか飲めません。それならお母さんは子供に美味しい料理をつくるように、自分の身体づくりしなければならないのでは、と思いました。そのためには栄養のある手料理や美味しい料理を作れるようにならないと。やっぱり食べることは生きる基本だから、何が何でも大切にしなきゃいけないと思います。(農学部女子学生)


お父さんが娘を想って一生懸命に弁当を作っていたのがすごく印象的で、弁当ひとつにたくさんの愛情がこもっているんだということを実感しました。私は今まで(高校生まで)はずっとお母さんに弁当を作ってもらっていたけど、毎日毎日感謝の気持ちを持って食べることができていなかったと想います。漫画の中の主人公と同じように、親が込めてくれた愛情に気づけていなかったと今さらながら後悔しています。自分のことで精一杯になりながちなので、もっと周囲に人の心のうちを考えることができる人にならなければいけないと思いました。親への感謝の気持ちを忘れないのはもちろん、これからは私が愛情たっぷりのご飯を作ってあげれるようになりたいです。将来的に自分の子どもができたら、子供にも愛情たっぷりの弁当やご飯をつくってあげたいと思いました。(農学部女子学生)


口は命の入口、歯は命の柱、というのが印象に残った。軟食に慣れてしまって硬いものを食べない現代の人はどんどん歯が弱っているというのは知っていたが、歯が、食事だけでなく脳や身体にまで影響があることを初めて知った。しかし、親心として子供には軟らかい食事の方がいいんじゃやないか、食べ易い方がいいんじゃないかと考えるのはわかる。実際、私の親もそう気遣ってくれていたこともある。ただ、“噛む”ことを考えたら、食感の残っているもの、歯ごたえのあるものの方が歯の発達にはいいのだということもわかった。また、すべての食べ物は身体に有害だからよく噛む、という話も印象に残った。よく噛まないまま食べるのは、異物を体内にそのまま入れること、そして、消化は口の中から始まっているんだと思った。全体の話を通して思ったのは、当たり前の和食が作れない時代になっているのだと思った。実際に自分も作れるレパートリーとして和食と洋食なら、洋食の方が多いかもしれない。和食は手間がかかって大変というイメージや親から教えてもらえていないことにも原因があるかもしれないが、これから挑戦していきたいと思う。(農学部女子学生)


玄米先生の言葉「料理がつくれるということは、生きていく力を身につけるということ」が印象に残った。たまに、自炊が面倒になって、レトルト食品に頼ってしまうことがある。まだまだ料理が得意とは言えないレベルで、おかずを何品もは作れない。自分が人の親になったとき、その子に毎日ちゃんとした食事を作ってあげられるおかなと少し不安になった。料理ができなくても、生きていける、なんて言う人もいるけれど、外食するにしてもそれは誰かがつくったもので、やっぱり生きていくためには料理がつくれることが必要だと思った。自炊をできるだけする。レパートリーを少しずつでも増やしながら。(農学部女子学生)


食べる人のことを考えないで、弁当は作れないという言葉が印象深かった。実際に自分が弁当の日を通して感じたことと同じようなことが、この漫画にも描かれていた。食べ物を無駄にしたいこと!特に、一人暮らしをしているので、うまく使い切ること!よく噛んで食べるように心がける。赤ちゃんができたら、とか言わずに今からできる限り気をつけること!(農学部女子学生)


母乳にしても便秘にしても、普段から意識するしないの違いは大きいのだと感じた。“分かっていてもできない”ことは多いと思いました。でもどの話にも共通するのは、少しずつでいいから変えていけばいいということ。実体験してみて実感することは大事だと思います。例えば、親が弁当を作ってくれることは有り難いと分かっていても素直にそう思えないなら、自分も作ってみるというような。実践は大事だと思いました。(21Cプログラム女子学生)