イタリア旅行記〜1

福岡発香港経由の長い空の旅を経てイタリア(ミラノ・マルペンサ空港)に入国。
バスと電車を乗り継ぎ、3時間半ほどで最初に訪れたのは港町ジェノヴァ


アメリカ大陸を発見した、かの有名なコロンブスの生地である。
半徹夜状態で出国前日を過ごし、香港までの飛行機の中で爆睡したかいがあって、時差ぼけをほとんど感じない。
休憩もそこそこに、午後三時間ほど石畳を歩き街を散策する。


日本人に会うことはほとんどない。
出くわしたのは2回だけ。


そんななかでバロックルネッサンス調の建物が立ち並び、中世の雰囲気があふれる街並を満喫した。


遅めの昼食には港に面するお店でファストフードのマルゲリータピザとビールを頂く。
イタリアのファストフードは少しはましかと思ったが考えは甘かった。
Macドナルドのような統一規格品はないようだが、ファストフードはあくまでもファストフード。
コストダウンのためにやっていることはたぶん一緒。


港のピアエリアに散在するそういうお店には子ども連れの家族や若いカップルが目立つ。
日本人がそうであるように、イタリア人がみなスローフードというわけでないということだろう。
多様化と呼ばれる名の食文化の変貌はどこの国でもあまり変わりがない。
イタリアではスローフードが食育の標語のようなものなのかもしれない。


夜は老舗イタリア料理レストランZeffirino(ゼッフェリーノ)でコース料理。
リグーリアというこの地方ならではの郷土料理を含むコースメニューを、シャンペンと赤ワインを飲みながら頂く。


最初は、野菜と香草のパイとチーズケーキ
思わずヴォーノ!と店のスタッフに向かって伝えたほど、
ズッキーニやセルリなど野菜をふんだんに取り入れたパイの濃厚な味がとても美味。


次は、パルマハムとパルメザンチーズ
この大量のパルマハムとパルメザンチーズを一人で頂ける贅沢な幸せ。


ジェノバ風ミネストローネ
このお店が最も自信を持っつのが“ペスト”とよばれるオリジナルの手づくりソース。
ペストは歴代のローマ法王も垂涎するほど有名なソース。
パヴァロッティ(オペラ歌手)、フランク・シナトラ(歌手)など、
内外からこのソースを求めて数多くの有名人がこの店を訪れるという。
ソースの素材は、
リグーリア産のバジリコDOPと、
パルミジャーノ(熟成3年くらいのが良い)、
ペコリーノ・サルド、
松の実、
国産のニンニク、
そしてリグーリア産のオリーブオイル(http://butako170.exblog.jp/9499382/http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%BC
地元でとれる食材の良さを知り尽くした料理人(ジャン・パオロ・ベッローニ)の知恵と技によって創り出された、
このこだわりソースをミネストローネに融合させた、
斬新かつなたいへん美味しい料理だった。



塩漬けバカラ(塩漬け干鱈)のトマトソース和え
鱈は大変塩辛いが、その味を酸味のあるトマトソースで中和するようなバランスのとれた酒の肴とでも言うべきだろうか。
ワインに手が伸びる回数が増えてしまう。


ここまで頂くと、別腹が機能しない私には、もはやデザートを食べる余裕が胃袋にまったくなかった。
デザートは断念するとスタッフに丁寧にお断りした。
その代わりにということだろうか。
最後は(たぶん)手づくりの蒸留酒を頂いた。
少し口に含むとカーッと口の中でアルコールが蒸発する。
30度は軽く超えているだろう。
ほろ酔い状態でこの酒を飲み干すとさすがに酔っぱらった。
ホテルに帰っればあっという間に夢の中だった。