始動!九大「自炊塾」

九大「自炊塾」が開講。


時間割を見ると、前の時間(4時限)に教室を使用していないことが分かったので、開始30分前に教室へ向かう。そしたら、学生たちが座っている。なんと不思議なことか。


「授業中?」と訊くと、「5時限の授業が始まるのを待ってます」と女子学生が答える。63席ある椅子がほとんど埋まっている。なんと有り難いことか。


それから30分。まだ学生たちがやってくる。座れない学生たちが、教壇の周囲と通路に立ったまま。教室が溢れかえる。なんと大変なことか。


単位をとるために自炊や課外実習やセミナーなど、たくさんの課題をこなさなければならない授業であることを伝える。それでもなかなか減らない。なんと悩ましいことか。


厳しい履修の条件を呑んで受けるつもりがあることを最終確認し、全員が合意した抽選のために、聴講届けを提出させる。なんと申し訳ないことか。


最大定員25名に対し、受講希望者126名。競争倍率5倍。九大に入るよりも難しい授業になってしまった。やっぱり、大学生たちは自炊を学びたがっていると確信。なんと素敵なことか。


抽選が始まるとざわついていた学生たちが水を打ったように静まりかえる。最初の一人目の最も幸運な受講生が決まった、その瞬間、受講が決まっていない学生たちから自然と拍手が沸き起こった。なんと感動的なことか。


自炊をした回数が単位取得条件となる、未だかつて無い授業「自炊塾」はこうして始まった。


強運の新受講生たちは、コンビニ、ファストフード不要の生活を目指すことを誓ってくれた。