今井一彰先生 in 九大「いのちの授業」


九大「いのちの授業」に、満を持して、あいうべ体操の今井一彰先生が登場!


今回は、十八番(おはこ)のあいうべ体操を完全封印。
「選択の医学〜その時あなたは命を守れるのか?」と題して、この日のために全て新ネタで挑んでくださった。


産褥熱や脚気の原因を見誤った医学会の権威主義
プロスペクト理論と医療選択。
覆る医療常識と医学の不確実性。
資源を食いつくして滅びたローマ文明とギリシャ文明。
奴隷制度の上に成り立っていた砂糖の歴史。


医と食に関する人類の矛盾した歴史をひも解きながら展開する講義内容に、受講生はまるで推理ドラマを見ているような表情で聞き入った。


快楽のためならば人は残酷なれる。講義終盤の、「奇妙な果実」(ビリーホリデイ)をBGMに紹介されたスライドに、目を背ける学生や目頭を押さえる学生が続出した。


歴史は何のために学ぶのか?
私たちは歴史を活かしているのか?


過去の過ちを繰り返さない生き方ができる人にならなければと、強く感じさせられた1時間半だった。


今井先生が薬を使わない予防医療を考えたのは学生時代。検査や薬に過剰に頼る医療は患者自身の幸せにつながらないし、自分や未来の家族のために、延いては国民のためにもならないと考えたから。周囲には、そのようなことを考える人は誰もいなかった時代だ。


博多駅の筑紫口から歩いてすぐの場所に6年前に開業した「みらいクリニック」(http://mirai-iryou.com/index.html)には、現代医療から見放された患者さんが多数訪れる。「ペリオ(歯周病)の根絶が全身健康の第一歩」(http://miraiclinic.livedoor.biz/archives/51452024.html)。最近は、歯科との連携治療に挑戦しながら、未来を見据えた医療の形を提案している。


医療方針といい、今回の講義内容といい、信念を持って誰もやらないことに挑戦し、実績を積み重ね続ける今井先生の姿に、大学生たちは大いなる刺激を受けたことだろう。


土が変われば、育ちが変わり、実る果実も変わる。


次から次へと手を挙げて質問する学生たちの姿や、講義終了後も今井先生を取り囲んでなかなか解放しようとしない学生たちの姿を目の当たりにし、人を育てる環境の重要性を改めて実感した。


この日の午後を休診にして、若者のために一肌脱いでくださった今井先生にただただ感謝m(_ _)m。


次回のゲスト講義は6月5日(水)、岡崎好秀先生 (小児歯科医)。


演題は「世界一聞きたい授業〜歯科医師からみた食」。


若干名ですが、一般参加も受け付けています。
>募集人数:各回若干名
>条件:大学生と一緒に医、食(自炊を含む)、農、環境てについて真剣に考え、語り、学び合うことができる人。
>申し込み方法:

1.名前
2.年齢
3.職業・所属
4.参加希望日(複数可)

を書いて m-hirama@agr.kyushu-u.ac.jp 宛メールでお申し込みください。お申し込みは授業前日まで受け付けますが、定員を超える場合は先着順となりますのでご了承下さい。


>授業名:九州大学全学教育総合科目「いのちの授業」
>時間:2013年度前期 水曜5限 16:40〜18:10
>場所:九州大学伊都キャンパス センター2号館 2204教室
>講師:比良松道一(九州大学大学院農学研究院助教
>授業アシスタント:2年生以上の九大生約10名
>受講生:1〜2年生を中心とする九大生約50名
>社会人ゲスト:公募で選ばれた方


いのちの授業のシラバスはコチラ↓
http://syllabus.kyushu-u.ac.jp/search/preview.php?code=1390503403