九大「いのちの授業」全国報道

九大「いのちの授業」をYahooニュースと毎日新聞ネット版で取り上げて頂いた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130624-00000051-mai-soci


「医は食に、食は農に、農は自然に学ぶ」を理念として、この授業を開始したのが2010年4月。


当初から一番こだわってきたのは、授業を担当する私自身が、できるだけ語らないことである。


人の行動が変わるとき、そこには自分で考えるという作業があり、何かを体感するというシーンがある。だから、この授業では、ワークショップと課外実習をふんだんに取り入れ、いつも対話し、体験する環境を作ってきた。


また、子どもは親の言うことはなかなか聞いてくれないもの。だから、私一人で伝える場面だけでなく、他の人に伝えてもらう場面もどんどん増やしていった。


最初のゲストは料理研究家の幾田淳子先生だった。何の調理設備もない大学の講義室でやったあの調理実演は、今では授業のスタンダードスタイルとして「自炊塾」に受け継がれている。


2011年からは、学期末に必ず公開セミナーを実施している。今井一彰先生(内科医)による息育講義を皮切りに、湯浅慶朗先生(理学療法士)、内田美智子先生(助産師)、鈴木公子先生(歯科医師)、吉田俊道氏(有機農家)、福田泰三先生(小学校教諭)、竹下和男先生(子どもが作る「弁当の日」提唱者)と、「食」でつながったたくさんの方々が、未来へつながるメッセージを学生たちに伝えてくださった。


昨年度からは、公開セミナー枠に納まりきらないゲスト講師が通常講義にも登壇されるようになった。森千鶴子さん(フリーライター)、橋本恵子先生(料理研究家)、北川みどり先生(料理研究家)、岡崎好秀先生(小児歯科医)と、こちらも受講生だけで聴くのがもったいないくらいの豪華ゲスト。


今期は、先輩学生が企画から運営まで携わる「学生発案型」授業も試行している。そのひとつが、農学部の大学院生、荒木敦之君による「農家学」。今回の報道にあるように、田植えシーズンであるにも関わらず、彼とつながりのあるたくさんの地元農家が大学キャンパスまで出向かれ、大学生と膝を付き合わせて農業について真剣に対話してくださった。


そして、遠方より駆けつけ、学生たちと熱心に対話してくださる社会人ゲストが、毎回おられる。


ほんとうにたくさんの方の協力によって支えられて「いのちの授業」は進化し続けてきたのだなぁとつくづく感じている。


あるひとつの理念に沿って、大人から、先輩から、次世代を担う人たちに大切なメッセージをつなげる。


教育は「共育」であり「響育」。


本来あるべき、この教育のカタチを、もっと多くの人と分かち合うきっかけになればと思う。