後期「自炊塾」第1回調理実習


宗像市でフランス料理を経営する船越姉弟に手ほどきを受けた。


メニューは、大学生でも簡単にできる、鶏肉と季節の野菜の赤ワインビネガー煮込みと糸島豚のラグーパスタ。
化学調味料一切無し。
塩と肉と野菜の旨味だけ。
ちょっとした工夫で、家庭でもプロの味を実現する調理技術を惜しげもなく伝えてくださった。


出来上がりの見た目の美しさを考えて、野菜は同じ大きさに切る。
塩コショウは高く振って、味を均一につける。
ニンニクは弱火でじっくり。
挽肉は撹拌せず、ステーキのように焼く。
途中で必ず味見をして、味の最終形をイメージしながら軌道修正する。
コンソメ等、化学調味料は使わず、素材の味のバランスをとって味に深みを出す。
・・・etc.


「こういうことは“クックパッド”には書かれていないよね」。と船越清玄さん。


そう。
レシピにはこういうコツはほとんど書かれていない。
だから、レシピを見るだけでは料理はあまり上達しない。


また、どんな料理人も、人の料理する姿をどん欲に観察し、それと同じことができるかを何度も試す。
その時、忘れないように大事なことをメモすること。
もう一人の講師、船越利枝さんはしっかりと伝えてくださった。


それは、基礎教科の勉強と一緒だと思う。
参考書だけ開いていてもなかなか身に付かない。
参考書から自分が大事だと感じたことをノートに書き取る作業が学習効果をいっそう増してくれる。


レシピは配らないという方針は前期からだが、メモを積極的にとる学生は意外と少なかった。その反省点を活かすべく、今期は、「自炊塾」専用ノートを一人一冊ずつ配布した。


実習中、プロの料理人の一言一句をひとつも逃がしてたまるかと必至でメモる学生たちが大変印象的だった。
写真一番手前の女子学生は、絵も描きながらわかりやすいメモをとっている。


4ヶ月後、どんな自分流の教科書が完成するのか。
楽しみだ。