出前授業その2 _ My Life


特別授業「だいずはだいじ」の第2回目。


前回同様、最初に黙って集中する時間をサイレントパフォーマンスで伝える。今回は「拍手!」の後に「手を頭に!」と書いた。素直な子どもたちはちゃんとやってくれた。滑り出しは上々。


引き続いて、前回好評だった“豆マメクイズ”。今回はすべて大豆に関する問題。小学2年生にはちょっと難しい、次のような問題に挑戦してもらった。

  1. 「おにはそと。ふくはうち。」といって、まめまきをする日をなんというでしょう? 1)たんごのせっく 2)もものせっく 3)せつぶん 4)おにたいじ
  2. ダイズはかんじで「大豆」。では、「小豆」とかいてなんとよむでしょう? 1)アズキ、2)コマメ、3)インゲンマメ、4)ソラマメ
  3. ダイズのねっこ。よく見るとしゃしんのような小さなこぶがあります。なにが入っているの? 1)水が入っている 2)くうきが入っている 3)むしが入っている 4)びせいぶつが入っている
  4. たんぱくしつをたくさんふくむダイズは「畑の‥‥‥」とよばれます。さて、なんとよばれるでしょう? 1)ごみ 2)ひりょう 3)おにく 4)おさかな


2番の問題を読み上げると何人かの子どもたちが「かんた〜ん!」と叫ぶ。しかし、正解を聞いて「え〜っ!コマメじゃなくてアズキ〜!?なんで〜!!」と一斉に起こったブーイングの嵐。しかけた罠にちゃんとハマってくれる素直な2年生たちだ。


3、4番もレベルが高い問題だが、子どもたちからは次のような感想を貰った。

  • きょうはマメマメクイズはむずかしくておもしろかったです。
  • 小豆とかいてアズキと読むのといっていたからびっくりしました。
  • 大豆のねっこにこぶがあって、その中にはびせいぶつがはいっているといっていました。

根粒菌を知っている小学2年生なんてそうは居ない。


多少難問であっても、楽しみながら聞いた内容はこうして各々の印象に残っていく。いずれどこかで習うことになるだろうが、その時に、今日のこのクイズと繋がって合点が行くことだろう。クイズ方式は学びの効果が高い。


さて、今回のメインワークは、前回の「ふくしゅう」から。


大豆がいろんな加工食品に変身することを学んだが、日本人が1年に消費する大豆の量400万トンという数字に問題が残った。2年生にとって千を超える数字をイメージするのはなかなか難しいからだ。そこで、400万トンの大豆を身近な建物に入れるとどうなるかを、かなり大雑把だが、計算してみた。


貨物船の船倉の貨物積載容積を表す単位「載荷容積トン数」は、40立方フィート (1.133立方メートル) の容積を1トンとしている。貨物船を福岡ドームに置き換えて考えると、福岡ドームの容積が176万立方メートルだから、大豆400万トンは福岡ドーム2.58杯分、およそ2杯半にもなる。この表現は、子どもたちの理解を助けたようだ。

  • 日本人が大豆を食べるりょうは、ふくおかドームの2つと半分を食べているからびっくりしました。


クイズで子どもたちに伝えたように、栄養たっぷりの畑のお肉“大豆”。それを食べて成長するのは人間だけではない。実は、世界で生産する大豆の93%は、食料油と搾り粕の大豆ミールとなり、後者は家畜の餌として利用されているのである。もちろん、日本で消費する油料用大豆300万トンから生産される大豆ミールも家畜飼料となる。この「大豆とにくのかんけい」を次のような虫食い文章に記入しながら学習する。(言われた答えをどこに記入すれば良いか分からない子が居るので、問題文章を模造紙に印刷して、前で記入してみせた方が分かり易いという指摘を担任の先生から受けた。確かにそうだ。)

  1. 牛、ぶた、にわとりのような(       )は、ぼくそうや(       )を食べて大きくなります。
  2. 牛は、1日に、ぼくそう20キログラムとこくもつ(   )キログラムを食べます。
  3. にんげん(   )人をやしなえるこくもつを、かちくにえさとしてあたえ、ひとり分のにくをつくることができます。つまり、ひとりぶんのおにくをむだにすることは、6人のごはんをむだにすることとおなじです。
  4. あぶらをとった大豆をかんそうすると(          )というこくもつになります。
  5. にほんでつかう大豆ミール(       )まんトンのほとんどはかちくのえさになります。
  • あぶらをとった大豆をかんそうすると大豆ミールというこくもつになるといっていました。びっくりしました。
  • おにくの1人分は、こくもつの6人分いるってびっくりしました。だからぼくは、そのぶん、おにくを食べることにしました。


最後は、「“いただきます”のいみ」。内田先生に頂いた「坂本さんとミーちゃんのお話」を朗読した。2年生には少し難しい言葉や表現があるが、子どもたちの感想文ではこの読み聞かせに対する感想が最も多かった。

  • 大豆は、300まんトンのほとんどは、どうぶつのえさになって、それをたべてどうぶつは大きくなり、それをころすことは、かわいそうだとおもいました。でも、そのどうぶつのおかげで「いただきます」がどんなにたいせつか(わか)りました。なにかをおいしく食べるときは、このはなしをきくと、食べることがすこしかなしくなってきます。これからも大豆・おにくをたいせつにしていきたいと思いますので、おにく、大豆、やさいをのこさず食べていきたいと思います。ひらまつさん、どうもありがとうございました。またおはなしにきてください。
  • 牛は、一日に(こくもつ)10キログラム食べるとは思いませんでした。あぶらをとった大豆(を)かんそうすると、大豆ミールになるのは、はじめていしりました。牛、ぶた、にわとり(のような)かちくは、こくもつを食べると大きくなるのは、はじめてしりました。いろいろなどうぶつと、いろいろな人のおかげでごはんをいただくことは、はじめてしりました。さかもとさんとミーちゃんのおはなしは、かんどうするくらいおもしろかったです。大豆のおはなしをしてありがとうございました。
  • さかもとさんんとミーちゃんのおはなしはちょっとかなしいおはなしでした。けど、いきていたうしやぶたをころしてまでみんなのためにしてもらっていて、ふざけていただきますをしたらかんしゃのきもちがないから、ちゃんといただきますをいわないとうしやぶたがかわいそうです。だから、さかもとさんとミーちゃんのおはなしを見て、かんしゃのきもちがわかりました。今日はほんとうにありがとうございました。またきてください。
  • いただきます、ということばは、ただいうだけと思っていたけど、今日、ひらまつ先生が河東小学校にきてくれて、さかもとさんとミーちゃんのお話をしてくれて心にのこります。さかもとさんとミーちゃんのお話をきいていただきますがたいせつだと思いました。さいごに一つ、ひらまつ先生おたんじょう日おめでとうございました。


内田先生。“坂本さんとミーちゃん”のインパクトは年齢を問わず絶大ですヨ。