いとエコキャンペーンの日々 その2


「アピールするための看板類がなく、『何のキャンペーンをやっているのか?』『今、何を作っているの?』というお問い合わせを多数頂きました。」


キャンペーン最初の2日間、学会のために会場へ行くことができなかった私に、初日イベントを担当したM鍋さんからそんなメールが届く。


私は、キャンペーン前に時間的余裕がほとんど無く、綱渡り状態で本番へ突入した。キャンペーンの大看板や企画ごとのポスター・チラシのことは頭の片隅にあった。しかし通常の仕事に追われ、本番直前までにキャンペーンに全力を注ぐ余裕がなかったのだ。


3日目、オリジナルエコバッグ作りの会場へ行くと、事前に準備したA0サイズの大型ポスターでは、会場の広さに対して小さすぎることが一目で分かった。もっと目立つキャンペーン看板が必要だと思った。


その一方で、会場に新たに追加された「いとエコ 私だけのオリジナルバッグを作ってみよう!」と奇麗に手書きされた色画用紙ポスターやA5サイズのチラシが人目を引く。M鍋さんやH田さん、この企画を担当したスタッフによる気転の効いた行動だった。二人とも母親としての仕事をこなしながらの活動だ。頭が下がる。その努力の甲斐もあり、バッグ製作ワークショップは大盛況。追加のデスクまで用意された。


それを見て、看板・チラシの即効性を悟った私も、「何のキャンペーンなのか分からない」ことを解消するための対策を試みた。車で近くのホームセンターへ行き、購入したのがコレ(下の写真にあるブラックボード)。早速、一番上にキャンペーン名を大きく入れ、その下にイベント情報を書き込んだ。


翌日、明るい場所でも見やすいプロジェクターを持参し、「いとエコバッグ夏の新作発売記念!byいとエコproject」の文字とイベントの写真を貼付けたpptスライドをエスカレーター横の壁に大きく映し出した。即席の大型看板だ。


そこに、M竹さんが持参したイージーリスニングをBGMとして加える。ステージ左右の脇に置いた大型段ボールほどのスピーカーから心地よい良い音楽が流れ、会場全体にイベントらしい雰囲気が漂い始めた。ラジカセや学校で使うようなマイクスピーカーでは、ここまでの雰囲気を出せなかったと思う。イベント会場専用の大型スピーカーとアンプをイオンを通じて借りていたことが功を奏した。これも便宜をはかってくれたイオンH本マネージャーのおかげである。会場を通り抜けていく買い物客の視線が、時折、即席看板に注がれているのを傍で見守りながら、私は安堵した。


大学院生のK山くんも本当によくやってくれた。博士論文実験の合間を縫って、エコクイズの大半を考えてくれた。そして、オリジナル紙芝居「レジ袋のクロー」を徹夜で作ってくれた。「いつか絵本を書きたい」と言うだけあって、彼オリジナルのストーリも絵もとても良かった。頭にかぶった麦わら帽子も手に握った鐘もよく似合っていた。もちろん、たくさんの子どもたちが「環境サミット」に参加し、彼の作った紙芝居やクイズを楽しんでくれた。


ゴーシ先生のダンモデ(段ボールモデル)の実演と見事な作品は、商品の売上に一役買った。ひと際目立つ出来映えのF1カーはいつも子どもの注目の的だった。


このようにしてキャンペーン会場は日々充実していった。それは、頑張る母、頑張る大学生、頑張る先生、頑張る従業員の献身的な努力に支えられていた。キャンペーンリーダーでありながら、このような長期連日イベントの経験がなかった私にとって、これほど心強いことはなかった。


みんな、ありがと〜〜〜。