水に流せる関係

「顔出せたら出します。」


と約束したからには、顔を出さないわけにはいかない。


そう決意して、たった30分のスケジュールの合間を縫って向かったのは、浜地酒造で行われた“ソーメン流し”。
私にとって久しぶりの環境創造舎イベントだ。


環境創造舎は、学生主導の環境NPOとして、ゴーシ先生が2002年大学院生時代に立ち上げた。
当時、環境活動に興味を持ち始め、Y先生の少人数ゼミをお手伝いしていた私は、縁あって、環境創造舎の監事になった。


それから6年。
当然、世代は移り変わるが、設立当初同様、学生主導の運営スタイルは変わらない。
その一方で、舎長のゴーシ先生、顧問のY先生、監事の私は、当時よりもずっと活動範囲が広がり、舎の学生スタッフたちに構ってやる機会が以前よりも少なくなった。


環境活動というものは、軌道に乗れば時間が経つのを忘れるほど楽しいものだが、軌道に乗らなければやって行くこと自体が億劫になる。
それに、学生時代というのは、勉強や単位の事、将来の事、恋愛の事、病気の事など、様々な悩みがいくらでも降って湧いて来る。
高い志を持って始めたたつもりのボランティア活動が、いつの間にか、「何のためにこんなことやっとるんやろう」と思える時もある。


しかし、そんな時こそ頼りになるのが、いつも一緒に過ごしてきた同志である。
私の場合は、それが、Y先生やゴーシ先生だった。
私が今、こうして環境活動に専念できるのは二人の先生のおかげだと思っている。


「私が水に流したいお話。」


それがこの日のイベントで流した、もう一つのもの。
水に流したいような本音を語れる、“許せる関係”。
それは、どんなに悩める時でも心強い。