だいずはだいじ第3回


小学2年生への3回目のゲスト授業“だいずはだいじ”。


この授業でいつも気にしているのが、“子どもたちの集中力”。
前回2回で、低学年の集中力を45分間持続させることの難しさを実感した。(http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20080716http://d.hatena.ne.jp/mich_katz/20080715
……で、今回のプログラムでは、先生や学生を動員し、彼らを飽きさせない工夫を随所に散りばめた。


まずは、大学院生のK山くんによるオリジナル紙芝居“レジ袋のクロー”。紙芝居の子どもの集中力に対する効果はいとエコキャンペーンで実証済だ。今回は、担任の先生のナレーションも入れ、子どもたちを物語の世界に引き込んだ。


紙芝居の後は、いつもの“豆マメクイズ”ならぬ”ごみゴミクイズ”。紙芝居のお話を元にレジ袋に関する2択クイズだ。これもいとエコキャンペーンで使った教材の使いまわし。正解が発表される度に「やった〜!」「いぇ〜イ!」と歓声が上がる。やっぱり、クイズは盛り上がる。


……が、ここからが問題。上がった子どもたちのテンションをそのままにして進むと、必ず彼らの集中力が切れてくる。これもいとエコキャンペーンで経験済。K山くんからバトンを受け継ぎ、レジ袋の環境への影響を説明し始めると、案の定、お隣とおしゃべりをする子、下を向いたままこちらを見ない子、どこに答えを記入すれば良いか分からない子が増えて来る。


そういうこともあろうかと思い、実は、彼らを絶対に黙らせて注目さるためのスライドを一枚仕込んでおいた。


私「ゴミとして燃やされないレジ袋は、土や、川、海にいつまでも分解されずに残ります。」


子どもたちはざわざわしている。


私「さて、これは何ですか?」

子どもたち「ウミガメ〜!」
私「そう、ウミガメ。じゃあ、これは?」
子どもたち「………」


その映像を見た瞬間、それまでに、ざわついていた子どもたちが水を打ったように静まり返った。その映像とはコレだ。

http://www.jean.jp/matter.htmlより)


私「ウミガメの口から出ているのはレジ袋のようなビニール類です。海の中にあるビニールゴミをウミガメが食べることがあります。どうして?」
ある子ども「クラゲと間違うから。」
私「そう。クラゲはウミガメの餌です。そのクラゲと間違ってウミガメがレジ袋を食べるのです。こんなふうにしてのどに引っかかると息が出来なくなります。レジ袋は消化できないので、胃の中にもどんどん溜まっていって、他の食べ物を消化できなくなります。そんなふうにして死んで行くウミガメが最近増えているそうです。」
子どもたち「…………(絶句)。」
私「レジ袋をどこにでも捨てないようにしましょうネ〜。使わないで済むレジ袋は、使わないようにしましょうネ〜。」


子どもたちの反応は目論見どおりだった。“死”に対する子どもの反応は純粋だ。


最後は、12歳のカナダ人少女、セヴァンス・スズキの地球環境サミットスピーチ。スピーチ原稿の合間に奇麗な映像、衝撃的な映像を散りばめたスライドを、別の担任の先生の朗読でバンクバンドの“to U”インストルメンタル版に乗せて紹介。ちょとした映画の雰囲気だ。小学2年生が理解するにはちょっと難しい内容かもしれないが、地球上でいろんな大変な問題が起こっていることくらいは感じたくれただろうし、同じ小学生が環境問題を大人たちに訴えていることくらいは分かっただろう。今は、それでいいのだ。

あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ

あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ


私「今日から、お母さんと買い物に行ったら、レジで何と言いますか?」
子どもたち「レジ袋いりませ〜ん。」
私「その時は、マイバッグを忘れないように持っていきましょうネ。」
子どもたち「は〜い。」


子どもたちはピュアである。


「あのスピーチ、本当に小学生ですか?」


終了後、朗読をされた先生が私のところへ来られてそう言った。そして、私はこう切り返した。


「先生、『育てたように子は育つ』です。あんな小学生を先生方と一緒に育てたいです。」


えぅ?ダイズの話しじゃないって。


それは、言わないでください。
次回はちゃんとやりますから。