ワークショップの主役


山田ズーニーさんのワークショップへ参加。


昨年、ズーニーさんの本を読み、その思想にすっかりハマってしまった。その彼女が九大でワークショップを開催するというので、スケジュールを調整して参加。


学生、職員、教員が対象ということだったので、参加したが、会場へ行ってみるとどうやら教員は私1人。ちょっと場違いかとも思ったが、学生と同じ目線で参加することから得られることもあるだろうと思い、出席可能な2日間のプログラムをすべて体験した。


ズーニーさんは、良質な“問い”によって掘り起こされる一人の根本思想が、人と通じ合うコミュニケーションの基本であるという。


プログラムでは……

  • まず、用意された質問に基づいて一人25分間ずつのペアインタビュー。
  • そのインタビューの答えとインタビュアーの要約を元に、各自が、自己紹介や近い将来自分をデビューさせる企画発表をグループ内でおこなう。
  • さらにグループ内のベストスピーカーが全員の前で自分の想いを伝える。

……という流れで進んだ。


こうした一連のプロブラムをズーニーさんの著書で既に読んでいる私は、ワークに参加しながら、ズーニーさんのトークやワークの切り盛りにも注意を向けた。そこで印象的だったのは、ズーニーさんが参加者の発表に対して逐一コメントしないことだった。あくまでも参加者主体で自分は脇役。そんな雰囲気を醸し出すスタイルだった。私にとってそのスタイルはかなり新鮮であった。


一方、ワーク参加者の自己紹介やデビュー企画紹介の中には、ワークショップの成果だろうか、大変印象的なものがあった。私は、特に、二人の発表に感動した。自らの過去のトラウマ体験を克服し、この先の生き方をプロデュースしたポスドクとパート職員の女性。一人は私の知人。「あなたには表現する力がある」と言ったズーニーさんの言葉どおり、二人の女性はみごとに自分の根本思想を表現していたと思う。



ワークショップは参加者が主役。


ズーニーさんのワークショップは、私にそういうことを改めて振り返らせてくれた。


あなたの話はなぜ「通じない」のか

あなたの話はなぜ「通じない」のか

考えるシート

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