誰が子どもたちを育てるのか〜北伊予中学校の講演感想文


先月末の北伊予中学校での講演は好天に恵まれ、
体育館の中は蒸し風呂状態だった。
そんな悪条件の中で中学生には異例の90分講演。


北伊予中生徒の感想文が届いた。
読んでいると涙が出てきた。

最初、どんなことを話すのだろう、生教育とは何だろう、という疑問でいっぱいでした。話が始まると食べ物について生きもの(のいのちがどのようにつながっているか)やどう食べるかなどをわかりやすく話してもらえて普段の生活から意識していきたいことがたくさんありました。特に、“お弁当の日”の話では、あぁ、私も感謝の気持ちが足りていないなと思いました。これからはもう少し感謝の気持ちを持ちたいなと思います。家の手伝いももっとしようと思います。そして、私も“お弁当の日”をやってみたいと思いました。(3年生)


一番心に残った話は最後の話です。私が産まれてここで生きていることはすごいことなんだと思いました。あたりまえのことだと思っていたことは奇跡だらけで、とてもびっくりしました。そしてとても感動しました。話を聞くことができてよかったと思います。聞くことができなかったら、感謝することも忘れたままだったと思います。これからは感謝の気持ちを大事にしたいです。(3年生)


今日、比良松先生の講演を聴いて、自分が今生きていることは奇跡なんだなぁと思いました。毎朝、朝ご飯を作っている母親に感謝したいと思います。自分は好ききらいが多く、給食を残すことも多々あります。一生懸命給食を作っている人にもうしわけないという気持ちがわきました。少しでも残食を減らせるようにクラス全体でがんばりたいと思います。“弁当の日”を実施している学校はすごいと思いました。小学5、6年生が自分でお弁当を作っているのはえらいと思ったし、私たは負けているなと思いました。いつも母親にばかり頼っていて、毎回作ってもらっていました。朝早くから毎日お父さんの分も作っています。その間、私はずっと寝ています。夜遅くまで働いているのに、朝早くから起きて弁当や朝食を作ってくれている母親に心から感謝したいです。母親は私を産んでくれた唯一の親です。今、この時間を生きているのは両親がいたからだと分かりました。産まれてこない赤ちゃんもいるのだと思うと、「私はどれだけ幸せ者なのだろう」と思います。親に感謝したいと思いました。そしてたまには、自分で夕食や弁当を作ってあげたいと思います。(3年生)


やっぱり生きものはひとつだけでは生きていけないんだなと実感しました。なのに、給食デとても多くの食べ物が残されていてびっくりしました。もし、私が作り手だったら、それを見たら悲しくなると思います。だから、ちゃんと作り手の思いも考えて、給食や食べ物を残さずに食べます。でも、もっと作り手の気持ちを考えるために、他の学校では“弁当の日”というものがあることを初めて知りました。これを聞いて、私もやってみたいと思いました。私たちも残食がないように心がけているけど、やっぱり一番は作り手の大変さを知ることがいいと思います。だから北伊予中学校にも“弁当の日”というのを一学期に一回でもできたらいいのになと思いました。そしたらみんなも食についての考え方が広がってくるんじゃないかなと思いました。(3年生)


「自分が生まれてきたこと、食事を口にすることができること。たくさんのことに感謝してこれからの生活を送っていきたいと思いました」。これは最後に私自身が言ったことです。正直、最初に演題を聞いたときには、全くピンとこず、どんな講演になるのか想像がつきませんでした。でも、自分が知らなかったたくさんのことを知って、今、自分が生きていることから始まって、たくさんのことがありがたいと感じるようになりました。広い視野で世界を見れば、自分が今まで過ごしてきた毎日に恥を感じることがいくつかあります。これから生きていく道はそんなことがないように、たくさんのことに常に感謝の気持ちを持って生きていきたいです。将来、自分が親として生きていくことになったとき、このお話を思い出すことができるように、大切にしまっておきます。そして、自分が理想とする親になれるよう、自分の生活を見直して、「食」そして「生」について考えたいです。(3年生)


“弁当の日”がある小中学校はすごいと感じました。児童、生徒に弁当を作らせて、たくさんの命に感謝させると共に、みんなで食べることによっていじめをなくしたり……。「食べる」ことはすごいと思いました。これからは「どう食べるか」を意識しながら生活していきたいです。スライドで“弁当の日”について見ていると、私たちの北中でも“弁当の日”を実施してみたくなりました。実施することで、たくさんの命や人に感謝できるとともに、私たちも変わることができればすごいと思います。比良松先生も、自分たちが変われば、学校が変わり、学校が変われば社会が変わるかもしれないと言われていました。これから社会を担っていく私たちには必要なことではないかと思います。(3年生)


今回の講演会で、食生活についてだけでなく、「生きる」ことの大切さを学ぶことができて、心が温かくなりました。“弁当の日”を通して成長した小中学生の生徒を見て、すごくうらやましくなったし、私たちもやってみたい!と思いました。……最も心に刻まれたのは、やっぱり「食べ物をいただくのは命をいただくこと」ということです。それを最初に聞いたときは、動物や植物の命をいただくことだと思っていたけど、人の時間をいただくことだと分かって、ジーンときました。これからは、残していた野菜も、みんながんばっておいしくいただこうと思いました。また、これからは、一人で生きていけない生きものとして、ちゃんとみんなが手を取合っている社会を築いていきたいと思いました。今回学んだことを、毎日、自分の心のどこかで記憶しておきたいです。(3年生)


私は今まで食べることは生きていくために当たり前だと思いっていました。でも決して当たり前なことなんかないんだと今日の講演を聴いて思いました。私たち生きものは一人では生きていけません。命のつながりを大切にしたいです。……私が今ここにいることは本当に奇跡だと思います。母が産んでくれたことに感謝してこれからも生きていきます。そしていつか母親になったとき、子どもにたくさん愛情を注いでいきたいです。私が今、普通に生活できるのは両親のおかげです。私もそんな親になりたいです。これからは料理を手伝ったりして、自分で作るとはどいういうことか考えていきます。食べ物を捨てることなく大切にしたいです。(3年生)


生命の大切さ。あんなにまじまじと産後の赤ちゃんを見たのは初めてです。血だらけの赤ちゃんを抱える看護婦さん。見たのは写真でしたが、頭の中に(鮮明に残っています)。「ああ、私もあんな風に生まれてきたんだ」。今さらだけどしみじみと思いました。最後の産後のお母さんたちの感想で一番心に残っているのは、「苦しくて不安だったけど、生まれた赤ちゃんの顔を見て、声を聞いた瞬間、そんな気持ちはどこかにいった。この子を生んでよかった。母親になれてよかった」(という言葉です)。来校してくださった保護者の方々が感動し、泣いているのに、私もついついつられてしまいそうになりました。今日を生きるために、私に命をさずけてくれたお母さん、ありがとう。ありがとう。本当にありがとう。お母さんのようなお母さんになりたい。この講演会を開いてくださった比良松道一さんありがとう。(3年生)


何度も何度も感動する場面がありました。特に心に残ったことが二つあります。ひとつは「人は一人では生きていけない」ということです。確かに、自分がここもあで成長することができたのは、両親、学校の先生、地域の方々に支えられてきたからです。特に、両親は食事から何もかもしてくれているので、感謝しないといけないと思いました。二つ目は『今、生きていることはキセキ』だということです。世界中には生まれてくることなく、死んでしまう子供がたくさんいる中で、僕達は生きて、比良松先生の話を聴けている。それはキセキなんだなぁと思いました。それなのに、そのキセキを起こしてくれた親に対して反抗的な態度をとっている自分はひどいことをしていたんだと感じました。これからは両親の役に立つことができるようにしていきたいです。(3年生)


私は今まで食べることは当たり前だと思いながら生活してきました。しかし、今回、比良松先生のお話を聞いて、そんな風に思っていた自分が恥ずかしくなりました。「食べ物を口にするということは命をいただくということ」。私たちが食事の前後にしている「いただきます」「ごちそうさま」がどれだけ大切でどれだけ深い意味が込められているのか、はじめて気づくことができました。ただのあいさつだと思い、やってきたことは、決してただのあいさつなんかではない。感謝の気持ちを込めて心からしなければならない大切なあいさつだということを比良松先生は教えてくださいました。気づけてよかったと本当に思います。命を大切にできる大人になりたいです。(2年生)


私には妹が居ました。でも、お母さんのお腹の中で死にました。ときどき、一人っ子なのでさびしくて妹や弟、もしくは姉や兄が欲しかったと思う時があります。それでも、妹が居たことを思い出すと、なぜか心が温かくなってさびしくなくなります。たとえ生まれてくることができなくても、妹は私たち家族の中に生き続けていると思います。このようなことを思うと、本当に自分が生まれたことは奇跡だなと思います。もしかしたら、生まれてこなかったのが私だったかもしれない。でも妹が私の代わりになってくれた。妹の顔を見たこともないし、私はなにもしてあげることができなかった。それを知ったのは、つい最近のことだったので、すごく衝撃的だったけど、妹の分までせいいっぱい生きようと思います。(2年生)


最初は私もPTA会長さんと思っていることは同じで、「講演長いかな〜?今日は暑いし、しんど〜。」のようなことばかり考えていました。でも講演が始まると、比良松さんの思いがひしひしと伝わってくるような、目をそらせない、背筋がピント伸びるような講演で、でも、時にはみんなを笑わせてくれるような、深い(内容の)講演でした。「私たちは周りの植物や生きものがいるから生きられる」(という言葉を聞いて)、全くそのとおりと(思いました。)自分が将来大人になったら、毎日自炊をして、もしできるなら結婚しただんなさんと子供とみんなでおいしくご飯を食べたいと思いました。(2年生)


講演中に時計を見ると、もう1時間もたってる!と時間を惜しむ気持ちが込み上げてきます。終わりに近づく時、私は比良松さんに大切な言葉をいただきました。「今、ここに私が生きているのが奇跡。あなたたちが生きているのも奇跡。」比良松さん(のその言葉)と助産師さんの映像を見て、涙があふれそうでした。私がここにいるのも産んでくれたお母さん、支えてくれたお父さんのおかげ、そして私をいつも笑顔にしてくれる友達(のおかげ。みんな)に感謝です。私の考えを変えてくださった比良松先生に感謝します。教室に帰った後、私は大好きな友達にこう言いました。「生まれてきてくれてありがとう」と。(2年生)


「私たちは一人で生きているんじゃない。」この言葉を講演で聴きました。私たちは周りの多くの人に支えられ、普通にご飯も食べ、今こうやって学校へ行くこともできています。私は、今まで普通にやってきた中で、めんどうだ、いやだと思って過ごしてきました。でも、比良松さんは「生まれたくても生まれてこない命がある」と言っていました。私は、せっかく生まれてきて、生きてこられている。それはとっても奇跡的なことなのです。(2年生)


僕はこの講演会で、自分の食生活の間違いや、もっと自分は親に感謝しないといけないということに気づかされました。……当たり前のように弁当や食事を作ってもらっていましたが、母は弁当を作る時は、朝早くから作ってくれて、忙しい時でも僕達のために毎日ご飯をつくってくれます。これからはその当たり前のことに感謝したいと思います。また、時間がある時や暇な時などは自分で弁当を作ったり、ご飯を作るのも手伝いたいです。そしてなによりも自分を産んでくれたことに対して親に感謝をしたいです。(2年生)


お弁当の日”のことを知り、小中学生でもすごく立派な弁当を作っているんだから、頑張ろうという気持ちになりました。私は弁当を自分一人で作ったことがないので、今度作ってみようと思いました。また、普段の食事の手伝いもやろうと思いました。チャーハンを作った女の子の作文は、自分にもあてはまったのでビックリしました。私も家で残したり嫌いなものはあまり食べません。でも、その食べ物には、育てる人の命、作る人の命、いろんな命が詰まっているのでちゃんと食べたいです。(2年生)


「いただきます」毎日、食事をする時に言う言葉。比良松先生の講演を聴き、この言葉の意味た私の心に深く響きました。「私が食べている肉、魚、野菜、すべての食べ物に命が宿っています。私たちはその命を殺し、食べているのです。私たちは食べないと生きてゆけません。だからいただきますと言う」のだそうです。私はぞっとしました。けれど仕方のないことだから……。……日本人は感謝の気持ちがあまりないのでしょうか。作ってくれた人のことを考えず、食材として殺されていった動物たちのことをむだにして残して逝くのです。私は「止めたい」と思いました。今からできることを探し、少しずつでもいいから実践していきたです。(2年生)


“弁当の日”を通して小中学生の子どもたちが、栄養バランスの良いおいしい弁当を作ってくれる母親をとてもありがたく思い、そして母親の苦労が分かるのだと比良松先生から教わりました。それを聞いたとき、“弁当の日”を行っている人たちがなぜかうらやましく感じました。だから、お母さんが私の体のことを考えて作ってくれた食事を今度から残さず食べたいし、弁当が必要なときは、自分で作ってみたいと思います。また、今こうして何気なく生きていけるのは、私の命をくれた母と父のおかげなので、母と父を大切にしたいと思います。(2年生)


私も時々「お腹いっぱいだからもういいよ!」とか言って残している時のお母さんの気持ちを考えずに言っていたので、これからは家でも全部きれいに食べて、お母さんを喜ばせたい、と心から思いました。最後の大学生のメッセージを見て、とても感動しました。たくさんの心のこもったメッセージがあってこんなにすごい文を書けるんだ、と驚きました。そして比良松道一先生のお話しはおもしろくもあり、心にじんわりと伝わってくるものもあり、このお話が聞けて良かったと思いました。(1年生)


私は、最初の方、暑くてつまらないとばかり思っていました。でも聞いているうちにおもしろくなって……。一番感動したのは、「私たちがここにいることが奇跡」という言葉。私は、お母さんに怒られた時、反抗するばかり。口答えばかりするし、すぐキレるし、お母さんのありがたさがぜんぜん分かってなかったです。お母さんの子どもに生まれてきて本当によかったです。最後の映像を見た時、お母さんもとても感動していたと言っていました。私は、いろんな人に支えられて生きているんだなと思いました。私が支えられている分、私も家族や友達、大人になってもみんな支えてあげられたらいいなと思いました。(1年生)


比良松先生が「あなたが生まれるのが奇跡」と言っていたのが一番心に残っています。私のお母さんは二度も流産しました。最初は、今の姉の前に(生まれなかった赤ちゃんが)いたこと。次はわたしの前にも(生まれなかった赤ちゃんが)いたことです。今、思えば、姉の前の子と私の前の子が生きていたら、(その代わりに)わたしと姉が死んでいたかもしれません。だからわたしは、流産で生きられなかった二人分生きて、毎日、何でも一生懸命がんばろう!と思いました。(1年生)


比良松道一先生から聞いたお話しでおどろいたのは“弁当の日”です。“弁当の日”を開始してから給食の残飯が減ったのはすごいと思いました。また、荒れていた学校が、今では、進学率が一番の学校になったことにおどろきました。家庭科の時間に、食事をすることは人と人のかかわりがあると家庭科の先生に聞いたけど、なぜかよく意味がわからず、疑問に思っていたけど、この講演会の話を聞いて納得することができました。わざわざ九州から来てくださった比良松道一先生にはとてもお世話になったので、高校生、大学生になっても食生活を変えることもなく、健康でいられるために、大学の宿題をためず、一生懸命頑張ります。食卓に家族全員がそろえるようにがんばりたいです。(1年生)


比良松先生がみんなに「なんで食べるの?」って聞いていました。確かに聞かれてみるとそんなことを考えて食べていません。「生きるために食べている」。そう言われて、私は何気なく食べていることはとても大切なんだと思いました。それに「いのち」という言葉を使って「いのちをかけて〜」と言う人がいるけど、今日の先生の話を聞くと、そんなことを簡単に言ってはいけないことが分かりました。「いのち」についてもっと考えて生きていきたいです。今、この世にいない人のためにも私たちは、その分、長く生きていかなきゃいけないと思います。簡単に「死ね」など言わないようにしたいし、言っている人がいたら止めたいです。一人じゃこの世は生きていけません。人は協調しあって生きているので、ひとつひとつ、一人一人を大切にこれからの長い人生をもう一度考え直して生きていこうと思います。こういうチャンスをくれた先生に感謝したいです。(1年生)


私は自分でお弁当を作ったことがありません。しかも、自分でご飯をつくることもあまりありません。でも、映像で5年生の子が自分でお弁当を作っているのを見て自分で作ってみたいなぁと思いました。大人になって子供にお弁当をつくってあげるときにはずかしくないお弁当をつくれるようになりたいし、高校生、大学生になったときにお金があるからと言って、外食ばかりだと家族との関わりもなくなるので、自分でできるようになりたいです。……自分は良く清涼飲料水を飲みます。特に部活のときアクエリアスを1リットル持ってきています。いつも薄めずに持って行くので糖分を取り過ぎ(ていると思い)ます。今度からは少し薄めて体に悪くないようにしたいです。今まで私は健康について深く考えてませんでした。この講演会でもっと自分の食生活を振り返って悪いところを直していかないといけないと考えました。1時間30分もあり、つまらないと最初は思ったけど、おもしろいし、分かりやすかったので、また講演会を開いてほしいと思いました。(1年生)


そして嬉しいことに………

“弁当の日”について私もしてみたいと思いました。今まで私は弁当を自分で作ったことがありません。将来のためにもチャレンジしてみたいです。弁当の日をしている学校のことを知り、すごいなと思いました。この北伊予中学校でもやりたいです。そして他の学校にも広めていきたいです。生徒会を中心として、“弁当の日”実施を計画して行きます。好き嫌いをなくすぞ〜!!(2年生)


読み終えて私は思った。


こんなに素敵な作文を書けるのは、
彼らが私の話を受けとめるだけの器を持っていたから。
その器を先生や保護者たち、地域の人たちがしっかりと作り上げたから。


先生や保護者の方々へ感謝。


こんな素敵な中学生たちを私たちの地域でも育てたいと思う。