「早寝、早起き、朝ご飯」運動の近未来


「我がPTAでも、早寝、早起き、朝ご飯を実施しており……」


食育講演に呼ばれると、そんな挨拶をよく聞く。


その中で、
「◯◯%の生徒が朝食を摂取しており、その割合は年々、確実に増えている」
……というような成果をよく耳にする。


「では、その生徒たちがやがて高校、大学へと進んだとき、彼らの朝食はどうなるのか?」
……というような話はまったく聞かない。


こうした“タテ”のつながりを意識した教育や取り組みはこれから益々重要になると思う。


10月末、熊本で開催されるPTA九州地区ブロックの研修大会において、
そういう問題提起をするために、
記事を書かせてもらった。

PTA活動の現状:“早寝、早起き、朝ご飯”の近未来


安くて便利な食べものが身の周りに溢れ、子ども大人を問わずいつでも簡単に手に入る今日。“食べる”という行為は単なる作業と化してしまい、とりあえず腹が満たされれば良いという雰囲気が蔓延している。食べ物に対する感謝の気持ちが感じられないし、「いただきます」「ごちそうさま」という言葉が出てこない。そして、その食には「命のつながり」が感じられない。


大学生の4割は朝食抜きで登校する。食べてきた学生でも、その中身は、菓子パン、コンビニのおにぎりやサンドウィッチ、インスタント食品、等々。問題は朝食だけではない。菓子や清涼飲料をご飯と一緒に食べる。食事を作れない。家族と同居しているにもかかわらず、ほとんど一緒に食べない。こうした状況はどこの大学だろうが変わらない。“早寝、早起き、朝ご飯”。小中学生時代、大人たちがあれだけ頑張って習慣化させようとしたことが脆くも崩れ去っていく現実がある。


こうした諸問題の芽は、実は、身近なところにある。給食の残食。毎日の残食が20〜30%にも上る学校も珍しくない。残す子どもたちに、食材となった命、給食を作ってくれた人、食材を加工してくれた人、食材を育ててくれた人の姿、つまり、“食べものの向こう側”がほとんど見えていない。日本全体で、毎年、食糧の6割をお金で買っているにもかかわらず、2,000万トンの食糧を捨てていることへの罪悪感は希薄である。


この自己矛盾を解決できなければ、子どもたちの未来に幸せは来ないのに。


朝ご飯運動が無駄にならないためにも、
私たちは何をすべきなのか、
皆さんと子を持つ親として一緒に考え、
一緒に行動したい。

■7/24(土)【九州一受けたい授業】
http://f.kyuden.co.jp/event_kyushu1
元気野菜を提供。
元気野菜の試食、調理を体験できます。
(残念ながらすでに申込みを締め切りました。)

■7/25(日)【幾田先生の食育塾 at ムラカミホーム】
http://murakamihome.co.jp/?mode=syokuiku_jyuku
すてきな洋風キッチンを使って料理。
私も出演します。
只今、参加受付中。
ただし5組まで。
お早目に。

■8/20(金)【幾田淳子先生の食育塾 in 宗像(メイトム宗像)】
50名の親子を対象とした料理教室です。
詳細は近日中にこのブログでお知らせします。