小ゼミ“いのちの授業"〜今、伝えたい私の気持ち4

お母さんへ

 大学に入学して早くも3カ月が過ぎました。このたった3カ月の間に、私はたくさんの出逢い、気付きがありました。そして、「自分の未熟さ」、「これからなりたい自分」といものが見えてきました。
 4月の初めに福岡にやって来たとき、私に不安というものは全くなく、あるのは期待だけでした。新しい学校、新しい友達、そして今までになかった自分だけの時間。本当につらかった受験を乗り越えた自分には、できないことなど何もなく、一人で何かをするなんてとても簡単だと思っていました。しかし、実際に待っていたのは非常に大変な毎日でした。
 自分の時間が増えたのも確かですが、自分でしなければならないことが増えたのも確かです。簡単だと思っていた一人暮らしも、3日で挫折しそうになりました。毎日作ろうと思っていた弁当を作る余裕なんてありません。これからの生活が不安でたまりませんでした。
 そんな中、大学の授業にだいぶ慣れてきた頃、私は少人数セミナーの授業でたくさんのことを吸収するようになりました。「医」、「食」、「農」、「環境」と今まで自分が気にも留めてなかったことを学ぶことができたのです。特に私がこの少人数セミナーを受けていて良かったと思った授業は「いのち」に関する授業です。どうやって自分が生まれてきたのか、どんな想いで育てられたのか、今、自分が存在していることがどれほど凄いことなのかを感じることができました。そして、これまで18年間、自分がいかに周りに頼って生きてきたのかを実感することができました。
 正直私は、いい大学に入って、一流企業に就職さえすれば、十分親孝行だと考えていました。今の自分は完璧だと思い込んでいたのです。しかし、実際はとても未熟なただの子供だったということに気づきました。親に感謝することもできず、自分が存在していることが当たり前だと思っていました。そんな自分を変えてくれたのが、小人数セミナーの授業です。いろんな人たちと話をしたり、たくさんの人たちの考えに触れたりすることで、今の自分に足りないところ、これから自分はどうあるべきかを考えることができました。そして、ずっとぼんやりしていた自分の将来像を描くことができました。
 

 私は以前からずっと「子供なんていらない。手がかかるだけだ。」と思っていました。しかし授業を通して、今までお母さんが私に注いでくれた愛情を自分の子供にも引き継ぎたいと思うようになりました。そして自分の子供にも、幸せな毎日を送って欲しいのです。さらに、自分個人の成し遂げたい夢も見えてきました。それは、小学生の頃からの夢だった「公認会計士」になり、多くの人の経済をサポートすることです。大学に入った当初は、「ずっと遊んでいたい」、「もう勉強したくない」と考え、この夢をあきらめていました。でも、自分がなりたい自分になることも、今まで育ててくれた人々に対する恩返しだと気づきました。自分ばかりが助けてもらうだけではダメ。周りの人々を助けることができるようにならなくてはと思いました。それは今までお母さんが私に言い聞かせてくれたことでもあります。この夢を実現するためにも、私は日々いろんなことに目を向けて、それについて自分の考えを持つようにしたいと思います。そして自分がいま存在していることに感謝し、この感謝の気持ちを多くの人に伝えていきたいと思います。
 今はとても恥ずかしいけど、いつか面と向かってお母さんに、「ありがとう。」と言うことが一番大きな夢です。まだまだ時間がかかるかもしれないけど、いつか言えるようになってみせるから、お母さん、それまで待っててね!あなたの娘は頑張ります!!
 今までありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。  


自らの命を尊ぶ人は、次へと繋がる命を尊ぶ。