佐伯血戦での想定外の収穫 〜 第7回佐伯市PTA連合会指導者研修会


今年の6〜7月の講演数、21回。
その最後はその中でも最も大きな会場となった。


佐伯市PTA連合会指導者研修会。
佐伯市内の小中学校PTAの幹部クラスが集まる夏の研修会での基調講演だ。
名付けて「弁当の日」佐伯血戦。


1,300人収容の佐伯市文化会館大ホールの7割くらいが埋まっただろうか。
演題「食を学ぶのか?食で学ぶのか? 〜 子どもたちのやる気を育てる食育」に沿って、
前半で食材を選ぶことの大切さ、後半で自ら手料理を作ることの大切さを伝えた。


前方からスポットライトで照らされて客席の反応が伺えなかったが、
応援に駆けつけてくださった愛宕小イナマス先生の講演後の一言で安堵する。
「1年間でずいぶん進化したネ〜。良かった!」


午後。
食に関する分科会へ。
弁当の日をテーマに佐伯市内の実践発表や実践計画発表が3件。
実は、意外にもこちらの方が、私にとって学び多き時間だったような気がする。


そこで起こった想定外のできごと。

  • その1:分科会の運営を私に任せてくださった。


午前中の基調講演で90分間も話をさせていただいたので、
分科会では私の助言者としてのコメントはできるだけ少なくするように努めたかった。
そのために、最初と最後の司会者の挨拶の時間を除いて、
私にワークショップ方式で運営させていただけないかを分科会担当者に提案したところ快諾して下さった。
たいへん有り難かった。
私の最も得意とする方法を用いることができることになり、
よりいっそう真剣に自分の役割を果たしたいという気持ちになれた。

  • その2:父親の参加が多かった。


会場に集った50人程度の参加者のうち半数近くを父親が占めていたのには驚いた。
PTA指導者の研修会では父親の参加が比較的多いとは言え、
食に関するテーマの分科会にこれほど人が集まるのは意外だった。
テーマが「弁当の日」に関する分科会であるにも関わらずである。
足にサンダル、茶色に染めた頭。
筋肉は隆々、スキンヘッドの頭。
中にはそんな風貌のお父さんたちも(笑)。

  • その3:父親たちの発言が素晴らしかった。


「父親なのに、なぜ、弁当の日に興味を持ち、なぜ、推進しようと思ったのですか?」
私と同じような気持ちを持った、一人のお母さんからそんな質問がお父さんたちへ投げ掛けられた。
すると、これから“弁当の日”を我が小学校で実践すると発表してくれたお父さん会長がこう言った。
「私はろくに料理はできんし、料理を教えることもできんけど、子どもには親に感謝できる人間になって欲しい。
だから“弁当の日”にその思いを託したい。」と。
お父さんたちの発言が続く。
「小学校で比良松さんの話を聴いて、すぐにでも子どもたちに“弁当の日”をさせてみたいと思った」と茶髪のお父さん。
「うちの学校は弁当の日は無かけど、家で一緒に料理をさせることがあるけん、もっと自立するために“弁当の日”が必要と感じとる」とスキンヘッドのお父さん。


佐伯市内の小中学校に「弁当の“火”」がすごい勢いで広がっていく予感がした。