もったいない国 _ My Life


給食の残食問題。


子どもたちへの食育を進めるにあたって、もっとも身近であり、もっとも悩ましい問題。


一昨日、訪れた小学校で給食後の残食を見せて頂いた。その日はご飯給食。それに、梅と一緒に煮込んだイワシが一匹、具沢山の味噌汁と牛乳だけ。「これで足りるのかな〜」と思ったが、学校全体で、イワシが大きなボールに一杯とご飯がかなり残っていた。あるクラスは最初に支給した量の四分の一くらいが残されて戻ってきていた。稲益先生の授業によれば、24クラス中5クラス分のパンが給食室に返されることもあったそうだ。ちなみに、稲益先生のクラスでは、赴任以来残食ゼロ。さすが、食の伝道師である。


我が小学校の残食も気になったので、昨日、別の用件で学校に寄った際に、栄養教諭のA先生に頼んで見せてもらう。その日の給食は、パイン入りパン、スパゲティサラダ、トマト&キャベツスープ、いりこ、牛乳。18クラスの残食は、パンがゼロ、スパゲティサラダが1学級分、トマト・キャベツスープが2クラス分弱。思ったほど多くない。1ヶ月の残食量データも見せて頂いたが、全体に少なく、結構優秀な方だという印象を受けた。A先生の話によれば、今日のパンは年一回のおやつ的なものなので生徒は喜んで食べたのだろうとのこと。


運動会など子どもたちの疲れがたまっているときは残食が増える傾向にあるなど、多少、子どもたちの食欲を予測できる部分もあるのだが、それでも過不足ない量を計算するのは難しいと言う。子どもたちの残食問題に気を揉むクラス担任も多い。残食が多かったクラスの担任が給食室までお詫びを入れに来ることもあるらしい。うちの次女は、ご飯が残りそうになったときに先生がおにぎりを握ってくれると、みんながよく食べると言っていた。そう言えば、稲益先生も、さっさと自分の給食を済ませ、生徒たちの食べ具合を見て歩きながら、ご飯のお変わりを促していた。残食を減らすために、こうした担任の涙ぐましい影の努力もある。


世界がもし100人の村だったら  3  たべもの編

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日本の年間食料廃棄量 2000万トン
世界の年間食料援助量 1000万トン


「これを知って、どう思った?」
と問う稲益先生。
「もったいない」
「日本人が食べない食料を他の国の人に分けてあげたほうが良い。」
と答える子どもたち。
「じゃあ、これは何?」と次に見せられたのは、給食で残されたパンの山。
「給食のパン。」
「後で捨てられるこのパンを残したのは誰?」
「私たち。」
「どう思う?」
「悪いことをしている。」
「こんなことをずっと続けているととどうなるかな?」
「バチがあたる。」


小学生のこの素直さが、彼ら自身の成長を促す原動力だろう。
私たち大人も彼らを見習い、彼らと共に食のあり方を考えたい。